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トップインタビュー【一問一答】失敗とどう向き合うか


-----現代は行く手の見えない、不透明な時代といわれていますが…。


トップインタビュー【一問一答】中村一八

「新時代の旗手」と脚光を浴びたのもつかの間、何年かしたら行き詰まったり、夢半ばで破れた起業家も少なくありません。また、かつてのエクセレントカンパニー(優良企業)や有名大企業が破たんしたりして、ビジネス社会は将来が見えにくくなったといわれています。でも、そんなの当たり前のことなんですね。経営に順風は続かないし、戦略に奇策もないんです。


-----では、激動の社会で勝ち抜くには?


業界内で優れた企業の経営手法を取り入れても、単なる模倣ではうまくいかない。何とか手法や何とかメソッドで、うまくいけば誰も苦労しないんです。経営は単純じゃないし、経営に「必勝法」も存在しないんです。過去の勝者も今日の敗者になるかもしれない。何かにすがりたくなる気持ちもわからなくはないのですが、経営には「必勝法」が存在しないということをまず知っておくことが大事ですね。


-----それって、失敗を容認するということでしょうか?


いいえ。人や組織には間違いもあります。失敗を容認するのではなく、後ろ向きな考えが一番よくないということなんです。商売はうまくいかない。でも、うまくいかないからおもしろいんです(笑)。うまくいかなくても、試行錯誤を何度も繰り返しながら、成功するまで絶対あきらめないこと。これこそ成功の秘訣といえます。


-----そうはいっても、失敗すれば精神的にこたえませんか?


たしかに、自信をもって立てた戦略も不発に終わると、ため息のひとつくらいはでます(笑)。それでもあきらめずに試行錯誤を繰り返すうちに、何かが見えてくるんです。ある方法でうまくいかなければ、別の方法でトライすればいい…。「もう無理じゃないか」「ダメなんじゃないか」とふっと頭によぎっても、それでもあきらめずに軌道修正しながら考えます。


-----中村さんは、一度決めたことは、是が非でもやりとげるという強い意志をもった人ですからね(笑)


私のなかでは、あきらめさえしなければそれは失敗ではないんです(笑)。私は、あせらず、あわてず、あきらめずの三大精神を大事にしています。どんな厳しい状況であっても、情熱と気概を持ち続けていさえすれば、道は必ず開けるものと信じています。大事なことは、思考の循環をポジティブに向かわせること。ひとつの成功を生み出すためには何十回ものチャレンジが必要です。


プロ野球では3割打てば一流の仲間入り。でも、打者は本当は3割を目指している訳じゃない。はじめから3割を狙えば、まず間違いなく打率は極端に下がります。3割という数字は、すべての打球を打ち返そうと打率10割を本気で目指した結果なんです。一流の打者といえども7割は失敗します。同様に、新規事業を展開して、10のうち3つ成功すれば名経営者といわれます。


-----名経営者でもたったの3割ですか?


語り継がれる名経営者であっても、数知れぬ失敗を経験されています。しかし、歴史に残るのは、どうしても成功談や成功のエピソードばかり。多くの失敗は忘れ去られます。忘れてはならないのは、成功というものは「表面上にあらわれない失敗」の上にあるということです。商いというのは、出店攻勢をかけるなど攻めるときはとても気持ちがいいものですが、退くときはとても辛いものです。手塩にかけた店舗をつぶしたり、思い入れのある新事業から撤退するのは、「辛酸を嘗(な)める」以外のなにものでもないわけです。落胆から早く立ち直り、「次」に活かせるかどうかは、失敗から学ぶという気概があるかないかなんですね。


-----なるほど、大切なのは失敗から何かを学びとろうとする姿勢ですね。


「なぜ、うまくいかなかったのか」を研究することは実に多くを学べます。成功に偶然はあっても、失敗に偶然はありません。失敗には、必ず要因が存在します。最悪の失敗というのは、どうして失敗したのかその原因がさっぱりわからない失敗のことをさします。これでは、失敗から何を教訓とすればいいのかわからず、同じ過ちを繰り返すだけです。愚者は自分の経験からしか学べませんが、賢者は他人の経験からも学べます。歴史や先人から学ぶ姿勢も大切です。失敗から学び、同じ轍(てつ)を踏まないように心がけるべきですね。


-----失敗を活かせない人の共通項はありますか?


完璧主義者はむずかしいですね。行動する前に、あれこれ慎重になりすぎて、腰が重くなってしまうタイプです。アクションの伴わない人は確かに失敗はないけれど、成功もないんです。実行しなければ、何も学べない。経営は学問じゃなく、決断と実行の連続なんです。


-----経営者は失敗とどう向きあうべきでしょうか?


重要なのは、失敗するかしないかではなく、挑戦する勇気をいつまでも経営者自らが持ち続けるということです。経営に失敗はつきもの。社員にも失敗を恐れぬチャレンジ精神を刷り込まなければならない。失敗しても、事業の存続に影響しない程度であれば、「良し」とする寛容さがトップには求められます。リスクヘッジできる範囲ならば、恐れずにどんどん果敢に挑戦せよ、と私はいつも言っています。


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